PROJECT

02

DX推進・IT資産管理プロジェクト

顧客のDXに貢献する
IT資産管理プロジェクト

急速な社会環境の変化や事業拡大、情報システム部門の人材不足により、社内のシステム環境整備や、PC・タブレット端末などのIT資産管理がままならない企業は数多く存在する。NECキャピタルソリューションは、そういった課題を抱える顧客に対し、IT機器メーカーやベンダー(販売店)と連携しながら、IT資産管理の見える化や運用手段の標準化をサポートしている。ドラッグストアや調剤薬局など複数の業態を展開するA社も、そうした悩みを抱える企業の一つだった。A社の課題を解決すべく、本プロジェクトが幕を開けた。

PHASE 01

背景

千里の道も一歩から

当社のICTアセットサービス営業部では、PCなどのIT資産のライフサイクル、すなわち調達・展開、運用、撤去・廃棄までの各プロセスにおいて、多様なサービスをワンストップで提供している。NECグループ各社との連携によって、導入時のキッティング(セットアップ作業)や保守・運用業務、中古IT機器のリサイクルなど、一貫したサービスを行い、NECグループの総合力を活かしたビジネス展開を強みとしている。そんな当社に相談が来たのは、2017年9月のこと。当社はグローバル企業であるB社のパートナー会社として密に連携しており、IT資産管理のカンファレンスにB社と共に出席していた。偶然顔を合わせたA社の情報システム部の責任者から「相談に乗ってほしい」とひと言。当社とA社との物語はここから始まった。

A社はグループ会社や店舗などを全国各地に構えており、IT資産の管理はそれぞれ現場任せとなっているため、本社の情報システム部では端末の保有台数や使用状況など、現状の把握が困難であった。またITの専門人材がいるわけではないため、端末に導入するライセンスに関する知識などが不足しており、有効活用ができないだけでなく、コンプライアンス面でも対応が必要な状態であった。「まず、何から改善すべきなのかを教えてほしい」。A社の切実な願いだった。そこで当社は、IT資産管理支援サービスを提供することとし、まずはPCなどの端末は実際に何台あるのか、ライセンスはどのようになっているのかなど、基礎的なデータの抽出やヒアリングを行った。誤った認識での調達やキッティングミスなどが明らかとなり、課題は山積みであった。管理の基本は入口と出口を押さえること。すなわち調達と廃棄の標準化が重要である。当社はA社に対し、まずは調達の見直しとして、これまで都度行っていた「端末の所有」から、リースを活用した「端末の利用」の提案を実施した。

PHASE 02

進展

プロジェクトの上流から
携わる意義

5,000名以上の従業員を抱え、1,500を超える拠点を持つA社。拠点ごとのIT資産がどのような状況であるのか、把握するのは一筋縄ではいかない。「同じことを自社だけで行おうとしたら、とても完了しなかったと思います」とA社の責任者は述べている。本件で重要なポイントとなったのは、当社の単独ではなく、B社と密に連携し、A社の課題解決に立ち向かったことだ。現在ICTアセットサービス営業部で、本プロジェクトの調整役を担うY.K.はこう語る。「プロジェクトの上流から深く関わり、A社の課題に共に向き合い、一緒になってゴールを探れていることが大きいです。だからこそA社の方からも信頼をいただけていると感じますし、そのご期待に応えるべく専門性の高いサービスが提供できているのだと思います」

端末の調達やキッティング、保守、運用、廃棄など、一貫した業務をアウトソーシングするサービスを「LCM(Life Cycle Management)サービス」と呼び、本件でも導入が決定された。まずは新規で入れ替えを行う1,600台分のPCの管理からスタート。端末のリースと、各デバイスに発行されているライセンスなどの管理は当社が行い、機器の調達はNEC、キッティングや保守、ヘルプデスク業務などは協力会社であるC社と連携しながらプロジェクトを進捗させることとなった。

プロジェクトのフォーメーション

PHASE 03

試練

尽きることのない課題

2019年5月、当社独自のLCMサービスである「PITマネージドサービス」の利用が開始された。Y.K.は同時期に本プロジェクトへ参画。プロジェクトのスタートからは1年以上が経過し、顧客から当社に対する信頼も得られているため、順調に案件を進められるだろうと考えていた。しかしその矢先、思わぬ困難に直面する。業務委託先などの関係各所と、専門的で事細かな調整が発生したのだ。当社が窓口となってA社にサービスを提供しているため、Y.K.が取りまとめを行わなければならない。打ち合わせでは専門用語が飛び交い、異動してきたばかりのY.K.にとっては、聞き取るだけでもひと苦労である。「分からないながらも必死に理解してきたつもりだったのですが、あるとき、端末の故障について連携先であるC社から連絡があったにもかかわらず、対応が遅れてしまったことがありました。すぐに対応していれば、お客様側で対応検討することも可能だったのですが、期間が経過してしまい、結果保険金ではまかなえない事態に。どうしたものかと途方に暮れていたのですが、そもそも保険金が下りるのを待っていては、デバイスの修理に時間がかかり、業務に支障をきたします。そこで、補償料金を一律にするなど、新たな規定を設けることで、お客様にとっても利用しやすいプロセスを構築することに成功しました」

災い転じて福となす、とはこのことか。難しい場面に直面しようとも、試行錯誤を繰り返しながらサービスの向上を目指してきたICTアセットサービス営業部のメンバーたち。その結果、A社が目標に掲げていたIT資産状況の把握を短期間で達成し、その後のIT資産管理もスムーズに進捗できている。

PHASE 04

ビジョン

金融×ICT×コンサルティング

A社の状況は劇的に変化した。まさにコンサルタントの立ち位置で改善を進めている。PCの調達の標準化が落ち着いてきたこともあり、次にIT資産の可視化に加え、セキュリティ対策やソフトウェアの配信を支援するツールの導入についても、計画から支援を実施した。A社のニーズから複数社に提案を実施してもらい、比較検討の支援をしつつ1社のツールを決定。PITマネージドサービスで連携するNECネッツエスアイにも参画してもらい導入を支援し、2021年4月から運用を開始した。

しかし、このプロジェクトにゴールはない、とY.K.は語る。「一つ課題を解決できたとしても、また新たな課題が出てくる。お客様の状況をより良くしようと考えれば、まだまだできることが無数にあります。加えて、技術の進歩が著しいPCなどの端末は、3〜4年で更新する必要があります。数年後に控える次期端末入替プロジェクトが動き出しており、お客様とともに次のステップへ進むための準備を進めています」

PITマネージドサービスは、ICTに強みを持つ当社だからこそ実現できたICT×金融を体現したサービスのひとつである。お客様のニーズや機種・機能の発展を取り入れて作り上げるサービスだからこそ、まだ伸びしろがある。NECキャピタルソリューションのICTアセットサービス営業部は、これからもさらなる成長を遂げてゆく。

PROFILE

Y.K.

ICTアセットサービス営業部
2004年新卒入社

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