前を向いて、
道を拓く

CAREER

02

M.O.

ビジネスサポート部

2008年新卒入社

機微を読め

彼女の好奇心旺盛な性格は、生まれつきのものだったのかもしれない。小学校では漫画の『スラムダンク』に憧れてバスケットボール部に入り、ディフェンスとして活躍した。中学時代は吹奏楽部でアルトサックスを担当し全国大会に出場することができた。高校では凛々しい姿で弓を引く先輩に魅了され、弓道部に入部。心・技・体を鍛える日々を送った。大学では手に職をつけようと栄養学を学び、管理栄養士の道を目指した。様々な物事に取り組んできたが、それぞれの過程で共通していたことがある。それは「常に向上心を持って、努力を欠かさないこと」だった。

管理栄養士を目指していたM.O.だったが、ひょんなことから進路変更を行うことになる。契機となったのは偶然参加した大学主催の会社説明会だった。「当社の人事担当の方が『当社の資産は人です』と何度も繰り返しており、社員に対する期待と愛情を感じました。営業事務という会社をサポートする立場の職種ではありましたが、当社は事業拡大を進めていたこともあって、色々なことに挑戦できそうだなと思ったんです」。長期的なキャリアプランをイメージできたこともあり、NECキャピタルソリューションへの入社を決めた。見たこともないビジネスの世界で、初めての社会人生活。心を弾ませながら入社したM.O.だが、待っていたのは失敗の毎日だった。営業事務は基本的に、書類作成や電話対応などデスクワークがメイン。慎重さに欠けてしまい、ミスを連発した。自分の不注意で営業担当や顧客に迷惑をかけたことも、一度や二度ではない。「自分に営業事務は合わないのかもしれないな…」そう感じて転職を考えたこともあった。

そんな中、イレギュラー対応を求められる事案が発生した。担当業務の変更があり、慣れない業務を抱えている状況下での、急な依頼。「この処理は対応できない‥」。そう直感し、上司に業務改善の相談を行った。返ってきたのは「機微を読みなさい」のひと言だった。言われた瞬間は言葉の意味が理解できなかったが、後になって自分は無思慮だと思った。ビジネスの世界は変則的であり、正解は一つではない。その時々で取るべき行動も変わる。仕事をこなしていくうちに自分で「営業事務」という枠を作ってしまい、業務の幅を勝手に狭めてしまっていた。全ての業務がルール通りに進むわけではなく、先例のない場合は関連部署と連携し、最善の方法を探さなければならない。「営業事務は単に営業の補佐をするのではなく、責任ある『事務職のプロフェッショナル』だということを自覚しました。視野が広がったことで、前向きに仕事に取り組めるようになったと思います」。当社の一員として、また組織の一員として大事な気づきが生まれた瞬間だった。

自分の未来を想像し
現状の行動を変える

入社6年目、M.O.はアシスタントリーダーに任命された。業務采配や後輩社員の教育を任されるなど、少しずつ仕事の幅が広がりつつあった。その一方で、別の思いも抱いていた。「より責任のある仕事を任せてもらっていましたが、別の仕事にも挑戦したいという気持ちを持つようになっていました。同僚とキャリアについて話す機会もよくあり、自分の将来を見つめ直していた時期です」。そんなとき、親しい後輩が営業職への職掌転換を行った。より顧客に近い立ち位置で仕事がしたいとのことでの決断だった。M.O.も職掌転換を真剣に考えたが、思いとどまった。それは、営業事務の仕事に面白みを感じ始めていたからだ。

「新たな道への挑戦はポジティブに考えていました。ただ、営業事務やアシスタントリーダーとして、他部門と協業しつつ案件クローズまで進める今の仕事にもやりがいを感じており、後進の育成や業務改善を通じたチーム全体でのボトムアップに貢献することで、営業部門の収益拡大へ繋げていくことに仕事の価値を見出すようになりました。また当時は、優秀な先輩が多くいるものの、本社営業部門における営業事務の主任が1人もいなかったこともあり、『私が昇級することで後進へキャリアの道筋を拓きたい』という強い気持ちから、『私が営業事務の主任になる』と決意して、仕事へ取り組み方も変わっていったと思います。そして、今のポジションでより上を目指そうと視点を変えることができました」

時を同じくして、M.O.は社内で新たに立ち上がった「女性活躍推進プロジェクト」に参画した。当時は女性の管理職が少ないなど、ジェンダー平等の実現を目指す社会に呼応して、会社としても変革の時期を迎えていた。M.O.は「新たなきっかけになるかもしれない」と思って参加を決めた。「通常業務と並行しながらのプロジェクトでしたが、私にとっては非常に有意義な時間でした。女性活躍に必要な施策を、社内で提言することが目的のプロジェクトですが、メンバーと議論するなかで、女性活躍のために大切なことは、『勇気を持って一歩前に踏み出すこと』であると実感するようになりました。会社は女性社員の活躍をサポートしてくれていますが、まずは自分自身がこれからどう在りたいのか、自分のキャリアとしっかり向き合うことがスタートであると気づくことができました。こうしたキャリアの考え方に触れ、社内での周知を検討するようになりました」。当プロジェクトはその後、社内に女性活躍推進室が新設されるきっかけとなった。M.Oは少しずつ、着実に社内全般への発信をするようになっていた。

私のオリジナリティ

「なぜ私たち営業事務の気持ちを分かってくれないの?」。あるとき同僚から、こう告げられた。徐々に目指すべきキャリアが定まっていったM.O.だったが、葛藤もあった。入社7年目には役員秘書を兼任するようになり、経営層の考えに直接触れる機会が増えていた。「役員や管理職と会話する中で、会社の課題点や改善点がより鮮明に見えるようになった気がしていました。それを部内のアシスタントに伝えるのが私の役割だと思い、ミーティングなどで発信していたのですが、それが原因で部内の摩擦が生まれてしまった。私の考えではなく、経営層が求めているであろうと私が思うことを、そのまま伝えてしまっていたのです。本来は同じ営業事務の立場にたって『もっとこうしたらどうかな?』と議論を投げかけるべきでした」。自分の発した言葉が意図せぬ方向に捉えられてしまう。言葉一つひとつに気をつけなければいけないと学んだ。

この経験を経て、後輩社員との「対話」に時間をかけるようになり、M.O.は入社11年目、主任となった。「会社に対する不満や、それぞれのキャリアビジョンなどを1対1で聞くようにしています。営業事務の女性社員としてキャリアを歩んできた私だからこそ伝えられることがあると思っていますので、本音で話せる信頼関係の構築と直接のコミュニケーションの場が重要です。当時ゴールとしていた主任という立場になれましたが、まだまだ改善の余地があると思っています」。

職掌転換を経て、新たな
可能性へチャレンジ!

入社14年目、M.O.は会社の中核を担う人材となるべく、職掌転換を行った。現在所属するビジネスサポート部は営業事務社員が大半であり、より質の高い業務を行うためには営業事務部門をまとめる管理職が必要だと考えている。「まずは目の前の仕事に集中していますが、ゆくゆくは他部門で会社経営全般の業務に携わりたいと思っています。そして将来的には、現在の営業事務を統括する部門の管理職になれたらと考えています」。

バスケットボールに吹奏楽に弓道にと、好奇心旺盛だった少女は、社会人となり日々さまざまな壁にぶつかりながらも、自分のキャリアを描きつつ、いつしか営業事務のスペシャリストとなっていた。「社会が大きく変化しているなかで、女性のキャリアも多様なものになっています。私自身が、これから当社に入社してくる後輩たちのロールモデルのひとつになれたら嬉しいですね」。チームメンバーの成長を実感できる喜び、今まで出会った方々との大切な縁、自身の好奇心と向上心が、M.O.の原動力だ。

PERSONAL CHART

新人時代

現在

そもそも大学時代の専攻とは異なる業種のため、リースや財務知識は皆無でしたが、日常業務を通じて専門知識を習得しました。また、面倒見の良い上司が財務の個別勉強会を開催してくださったり、自己学習でITスキルを身につけたりと、研鑽を重ねました。入社当初はケアレスミスが多く、仕事が合わないのではないかと転職活動をしたこともありましたが、トライ&エラーを続けていくうちに、できないことができるようになっていきました。

CAREER PATH

2008

本社営業部

2009

コーポレート・
ファイナンス営業部

2010

東京支社

2012

事業法人第二部

2020

ビジネスサポート部

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