信頼こそ
最高の提案である

CAREER

03

T.M.

PFI・PPP推進部

2010年新卒入社

営業マン全員の
名刺を集めろ

T.M.の社会人生活は、泥臭い営業活動からスタートした。配属された東京支社では、NEC製品の販売店(ベンダー)向けの営業を担当。入社して早々に、先輩社員から引き継いだ顧客を任された。とはいえ1年目の新米社員。最初から具体的な案件をもらえるはずもない。「任された企業はこれまでほとんど取引実績のなかった販売店です。まず何をすれば良いのかも分からず、上司に相談したところ『とりあえず、営業マン全員の名刺を集めなさい』と言われました。正直、戸惑いましたよ(笑)」

それでもまずは、顧客の担当に顔を覚えてもらわないことには、案件が発生することはない。毎日のように足を運んでは、営業部のフロアを全て回り、一人ひとりに名刺を渡していった。担当者の勤務時間中に訪れるため、煙たがれることもあれば、全員出払っておりフロアに誰もいないということもあった。日中はほとんどそうした活動に追われ、忙しさのあまりメール対応が遅れてしまい、顧客や上司に叱られたこともある。それでも、100名くらいと名刺交換できた頃だろうか。少しずつ、案件の相談をもらえるようになった。単に足を運ぶだけでなく、最新のサービス情報を提供したり、顧客からの相談事にはクイックレスポンスを心がけたりと、先方から信頼感を得るための、営業スキルも磨かれていった。

1年目の初夏、T.M.はついに自らの力で初契約を獲得した。苦労したからこそ喜びも大きい。「いろいろ試行錯誤して、ようやく掴んだ案件ですから、思い入れも強かったです。今の時代では考えられないような営業手法ですが、“営業マインド”を学ぶという意味では、大きな経験でした」。顧客から信頼されるためにどのような行動をとるべきか。営業のやり方が変化している現在においても、その本質は変わらない。社会人としてのベースが作られていった。

トップカンパニーへの
挑戦

流通業のユーザー向けのファイナンス営業を経て、入社5年目にNECベンダーソリューション部(現在の企業ソリューション第一部)に異動した。当時はリース会計基準の変更によるリース市場の縮小が進むとともに、様々な業種の顧客が「サービス化」を求め始めた時期。そのようななかで当社は、今後NECとどのように連携していくかを模索していた。顧客ニーズを捉えたNECとの新たなスキームの構築に向けて、T.M.は動き出した。「NECの営業担当に顧客ニーズを説明し、新たなスキームを活用した場合のNECのメリットなどを説いていきました。仕事内容は異なりますが、新人時代に地道に信頼関係を構築していった経験が活きました」。同じNECグループの社員同士。互いの顔が分かれば、話は早い。T.M.に対する案件の相談は飛躍的に増えていき、NECとの新スキームの契約に成功した。

同時期、T.M.は大手アパレル企業を担当することとなった。誰もが知る著名企業である。プレッシャーはあったが、それ以上に自信を持っていた。「それまでにも取引があった企業でしたが、NECとの連携を深めたことで、提供できるソリューションの幅が広がりました。日本中に展開されている店舗POS案件を受注。NECと密にコミュニケーションを取り、顧客のニーズや社内事情を考慮したきめ細やかな提案活動を行うことで、年間で数十億円規模の取引に至りました」

しかし成功の裏には当然、苦労もある。多いときには週に3回も顧客の本社に赴き、進捗の確認や提案活動に奔走した。大手企業であるがゆえ、当社以外の競合他社も熱心に営業活動を行っている。ちょっとしたミスで信頼を失えば、他社に乗り換えられてしまう可能性もある。そんな緊張感のなかでも、T.M.が心がけていたのはクイックレスポンスだ。どんな些細な連絡でも、すぐに反応して、次の提案活動につなげる。今後の出店計画など、顧客内の社外秘の情報についても相談が来るようになったのは、地道に信頼関係を構築していった努力の賜物だろう。気持ちが休まる時間は少なかったが、彼はまたひと回り、大きくなっていた。

転んでもタダでは
起きるな

2019年、T.M.は異動希望を出した。ベンダー営業にも面白さを感じていたが、それ以上に「新しい環境で力を試したい」という思いが強くなっていたからだ。そして、その希望は叶うこととなる。異動先は地方自治体の公共事業を扱うPFI(※1)・PPP(※2)推進部。当社のなかでも今後の新たな取り組みとして期待される、伸び盛りの部門だ。T.M.は胸を躍らせていた。

Private Finance Initiativeの略。民間の資金と経営能力・技術力(ノウハウ)を活用し、公共施設などの設計・建設・改修・更新や維持管理・運営を行う公共事業の手法のこと。

Public Private Partnershipの略。公共サービスの提供に民間が参画する手法を幅広く捉えた概念のこと。

異動して早々、とある地方の子育て施設の案件を任された。ところが、入札までは3カ月しかない。PFI事業は地元の建設会社や金融機関、運営会社などの参画企業を募り、「SPC」と呼ばれる共同出資の会社を立ち上げる。つまり、3カ月の間に複数の関係会社と協議し、事業計画を立て、案件を応札しなければならないのだ。これまで経験がないT.M.にとっては、未知の分野である。社内外を含む複数の関係者と連携しながら進めていくため、「初めてなので分かりません」は許されない。まずは必死にPFIについて勉強し、案件に携わる企業の担当者が一堂に会する「コンソーシアム会議」に参加した。

T.M.は「ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれ、事業収支計画の策定や金融機関との調整など、財務面でのコンサルティングを行う役割を担っていた。しかし、コンソーシアム会議に参加した企業の大半の担当者は、会社の代表や役員、部長など、経験豊富なビジネスパーソンばかりだった。「最初はたじろぎましたよ。自分より年齢が上の役職者ばかりですから。しかも私はPFIに携わる人間としては新米社員です。特に交渉ごとには苦労しました」

参画企業は自分たちの会社になるべく多くの利益が出るようにしたいため、簡単には要望に応えてくれない。そこを調整し、金額面での折り合いをつけることもT.M.のミッションのひとつだ。ときに夜遅くまで議論を交わしながら、案件を進捗させていった。「私より年齢が上の方々ばかりとはいえ、会議においては対等な立場です。きちんと主張しなければなりません。目標金額を実現するためにコストカットを要求することもありました。相手の事業への理解がないと、当然交渉はできません。コストの妥当性を理解するために適正価格から勉強しました。」難易度の高い交渉を重ねるうちに会議に一体感が生まれ、「ワンチーム」としてまとまりが出てきた。T.M.は年齢が若いながらも、しっかりと自分の意見を発するため、各社の担当者からも「彼なら大丈夫だ」と一目を置かれるようになっていった。そしていよいよ、応札のときを迎える——。

結果は失注だった。どれだけ頑張っても、成果が出ないこともある。これがビジネスの厳しさだ。それでもT.M.のパフォーマンスは評価され、共闘した運営会社とは、別の案件でもチームを組むことになった。転んでもタダでは起きない。T.M.が高い信頼を得ている証拠である。

業界No.1を目指して

PFI案件の落札件数で業界No.1になること。これがT.M.の目標である。PFI事業は自治体が地域活性化などを目的に実施されるため、この取り組みに参画すること自体がCSV経営の理念とも一致する。それだけに、やりがいも大きい。「当社は若手社員がこうした大きな案件に、主担当として携わることができます。大きな責任が伴いますが、その分成長のスピードは格段に早いです。だからこそ、どんどん上を目指してチャレンジしたい」。そう話す彼の眼差しは、すでに次のステージに向いている。

PERSONAL CHART

新人時代

現在

当然ながら新人時代は、専門知識も問題解決力もありません。しかし、そういったスキルは仕事をこなすなかで、次第に身についてくるものです。それ以上に重要なのは成長を志す「向上心」だと思います。少しでも上を目指そうという意識があれば、自ら学び吸収することができるようになります。難易度の高い仕事に何度も直面しましたが、挫けずに挑戦することで、自分の考えを確立し、主張できるようになってきたのだと感じています。

CAREER PATH

2010

東京支社

2012

事業法人第二部

2014

NECベンダーソリューション部
(企業ソリューション第一部)

2019

PFI・PPP推進部

CAREER

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